ホップ・ステップ・ジャンプ!

あれは今から3年前の2009年8月。
友人と2人で参加したJTB北欧4カ国めぐりツアーが始まりだった。

旅した当時の日記は途中のままだが、あの時の感動は今でも忘れない。

ツアーで訪れたデンマークコペンハーゲン
観光の後、友人と私は帰国の途に着くツアーの仲間と別れ、ふたりだけでビルンの街を目指した。
そう、彼の有名なレゴランドに行くために。

空港までツアーに連れてきてもらったとはいえ、ここからはまったくのふたり旅。
海外での個人旅行は初めてだというのに、ふたりとも英語はほとんど出来ない。
私だってこれまで何カ所かの海外旅行を経験し英語恐怖症は克服したものの、会話が出来るレベルではない。

しかし、デンマークの人々はみんな英語が堪能。
そして英語が話せない私達に対しても、とても親切に対応してくれた。
でも私はどんな親切を受けても「Thank you.」か「Tak.」しか言えなかった。
たぶん、この時の経験がデンマーク語に関心を持ったきっかけのひとつなんだろうと思う。
自分自身はまったく意識していなかったのだけど。

帰国後、偶然見ていた某大学の公開講座デンマーク語の講座を発見した。
元々は「かもめ食堂」という映画が好きで北欧旅行を計画したところがあったので、フィンランド語を勉強してみようか・・・なんて考えていたところだった。
でも見学に行ったフィン語の講座はイマイチな感触。
そんな時にふと目についたのが、デンマーク語の講座だった。
レゴランドのスタッフに「Tak.」しか言えなかったことを思い出し、デンマーク語ってどんな言語なんだろう、
ちょっと覗いてみるかという気持ちで軽く講座申し込みボタンをポチッた。

そして同年10月から始めたデンマーク語。
とても発音が難しく、文法は英語に似ていると先生に言われたものの、その英語がほとんど出来ない私には何の慰めにもならず。
最初は聴き取るのさえ大変で、まるで魔法の呪文のようだった。

それでもデン語を続けたもうひとつの理由。
それは「フォルケホイスコーレ」に興味を持ったことだ。
旅行の前に友人が見せてくれた本「北欧の和み-デンマークの扉をあけて」に、著者のフォルケ体験が載っていたのだ。
著者の詩的な文章のせいもあるのかもしれないが、私はその魅力にグッと引き寄せられてしまった。
そしていつか自分も行ってみたい、と大それた夢を持ってしまったのだった。
なんと言うかミーハーで、単純な理由なのだけれど。


2010年9月。
ホイスコーレに行くには、まず1人でヨーロッパに行けないとダメだ。
ヨーロッパに行くには英語が出来ないと・・・とコレまた単純な連想で、英語の勉強をしようと考え始める。
英会話教室にも少し通ってみたけれど、日本人の先生と日本人の生徒しかいない教室で上達するなんてどだい無理な話。
(だけど、先生は英語の楽しさを教えてくれたので有意義ではあった。)
かといって留学するほどの意気込みもなく、ワーキングホリデーの制限年齢も超えている私は一体どうすれば・・・
と考えて色々と調べている時に知った「留学サポート mitsuba associates」というサイトが私を新たな方向へ導いてくれた。

要するに留学したい人にリーズナブルに学校を斡旋してくれるサイトなのだが、詳しくは長くなるので割愛する。
(詳細はサイトを見て下さいませ。)
ここで私は「ホームステイ」「マンツーマンで英語の勉強」というのに目を付ける。
かねてから「ヨーロッパに住んでみたらどんな感じなのだろう?」ということにも関心があったので、暮らしながら勉強をするというのはとても魅力的だった。
そして仕事を持つ身としては、短期間でも申し込めるという点が何より良かった。
こうして私は9泊11日の日程で、イギリス・チェルトナムの街に滞在したのだった。

英語の勉強は午前中だけ。午後は町中をぶらぶらと散策したり、買い物やプールに興じたり。
本当にその街に暮らして、夏休みを満喫したと思う。
英語のレベルは・・・まぁ、そんなに上達したとも思えないが、聞き取りと発音が上達したことには自分でもびっくりした。
滞在中、自分でどこかへ日帰り旅行をするなんてのは1日くらいしか出来なかったけれど。
(語学力と勇気が足りなかった。)
1人でイギリスまで行って帰ってくる、ということは果たせたので、存分な自信となったのは間違いない。
 
 


2011年。
さぁ、英語もデンマーク語もまだまだだけれど、度胸だけはついたぞ、と思ってホイスコーレについて詳しく調べ始めた矢先。3.11が起きた。
これによりなんだか茫然と過ごしていたら、夏休みの計画を立てる時間がなくなってしまった。
日本が大変な時に・・・とかなんとか、多分どこか言い訳をしていたと思う。
要するに実現しなかったのは気合いも勇気も足りなかっただけなんだろう。

生来の旅好きなので、結局は年末にドイツ・オランダ・ベルギー3カ国のクリスマスマーケットツアーに1人で参加することに。
コレはコレで面白くて、フリーの時間が多く、たどたどしいながら自分の語学力を試すことができた良い機会だったと思う。

この時、ベルギーで半日まったくフリーの日があった。
お昼からフリーで、ホテルまでの帰り方だけ教えてもらって放し飼い、というヤツだ。
ここでルクセンブルクからアントワープまで、1人で電車に乗って移動したことが思っていた以上に楽しかった。
アントワープの港からぼんやり大型船を眺め、クリスマスマーケットに興じ、地下鉄に乗って駅に戻った。
世界ふれあい街歩き」で見たのと、本当に同じ街だった。
・・・って当たり前なんだけど。とにかく自分がその場所にいることが不思議で感動的だった。
たぶん、この時、ホイスコーレより先に「ヨーロッパ鉄道の旅」をしたい!という気持ちがインプットされたのは間違いない。やっぱり単純な私である。
 
 
 
 


2012年7月。
かねてから乗ってみたかった「渡り鳥ライン(コース)」。
今年こそはデンマークに行きたいというのと、この路線に乗ってみたいというふたつの希望を叶えるため、個人旅行の計画を練る・・・はずが、忙しさにかまけてホテルと飛行機の往復しか押さえていなかった。
本格的に、まったく初めての海外個人旅行、そして一人旅。
いったい全体どうなることかと心配しながら始めた旅だったけど、無事に楽しんで帰って来ることができた。
英語を勉強し直した理由は「自由に海外旅行をしたい」という部分もあったのだけど、旅を始めてみたら語学はたいした問題ではなかった。
ようは度胸、踏み出す一歩が必要だということを実感。

というわけで、次回以降、旅の記録を記したいと思う。
(以上、超絶的に長い前置きでしたw)